海のトレース Trace of the sea

個展のお知らせ

海のトレース Trace of the sea

東京 Gallery K       *ご高覧有難うございました*
104-0031 東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
2018/9/17~9/29 9/23 close
11:30~19:00 Sat~17:00 

仙台 Gallery TURNAROUND
980-0805 宮城県仙台市大手町6-22 久光ビル1F
2018/10/16~10/21
11:00~19:30 21~17:00

P1120323

 60×60×2cm ・石(black granite) 

2016年からゆっくりと継続中の 海のトレース 8点を展開します。
残暑もつづき不安定な天候ではありますが、ご高覧いただければ幸いです。
また、仙台TURNAROUND での巡回には「一切の祈り(2016)」に映像のTrace of the seaを投影する試みも行なっています。
お近くの方はご高覧ください。


個展メモ

震災から5年目を節目に海の記録を始めた。 福島県〜青森県までの沿岸部をできるだけ隈なくめぐり、現在の状況と場の空気を感じ、その現実をもたらした水-海の諸相を短い映像とともに記録し蓄積する。 各地で記録した海の写真を、石の板の表面にトレースし、写し取った痕跡を押し込めるようにその表面を削り、磨く。石を「水−海」にしていく。 その場所の現在と空気を内包した光に反射する水面が、再びその石の表面に立ち現れ、訪れた場所場所の「水−海」が一列にならぶ時、5年目以降の現実と海の諸相が見えてくる。

これは個人的に行っているアーカイブスなのかもしれない。

この作品は、見ようとして近づけば近づくほど、見えなくなる視覚的構造を持っている。 それは現実の暗喩とも思え、見えているものは石の表面に反射する光の形でしかない。

この作品には表現的な操作が入り込む余地がない。ただ写し取った線に沿って道具を動かし、磨く行為を蓄積することでのみ成立している。唯一この作業を始めようとする衝動こそが表現的なものなのかもしれない。

この石という素材は記録するメディアとして選択している。その物理的特徴のとおり、人類をはるかに超えた時間軸の中に存在し続け、その存在自体がアーカイブスとなる。 様々な記憶を記録する媒体として。 デジタルなものに消して置き換わることのない実在として。

2018/7 菅野泰史

2018-09-03 | Posted in Atelier, Works, Yasushi KannoComments Closed 

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